ほんとうに人を大切にする組織とは

よく「人を大切にする組織になっていきたい」という言葉を人事や経営者の方からお聞きします。私はこの「人を大切にする」という言葉は人によってずいぶん異なるのではないかと思っています。

・社員が働きやすく、上司もやさしい
・その人の適性や興味を尊重し、仕事をアサインしてくれる
・報酬の不公平がない
・厳しい仕事も成長に必要と考えれば挑戦させる

いかがでしょうか。どれも「人を大切にする」という考えの中に入っても良さそうではないでしょうか。

このように、「人を大切にする」ということは人によって考えが異なります。そのため、マネジメント側が「みんなを大切にするように頑張っている」と考えていても、スタッフには全く届いていないこともあります。

「人事制度が整っていなかったからこれから準備しよう」
「育成の仕組みを整えよう。研修を充実させないと」
「働きやすい環境でなかった。効率的に作業できるツールを導入しよう」

経営層や人事部門がこのように「みんなのため」と考えて行動してもどうも上手くいかない、現場に浸透していかないということありませんか。

なぜこのようなことになるのでしょうか?

人を大切にする組織には対話(=他者尊重に基づくコミュニケーション)がある

最初に書いたように、人により「人を大切にする」ということのイメージが異なります。

このギャップがある以上、一方的な施策は上手くいかないものです。

では、どうすればよいか?
それはマネジメント層やリーダー層が部下の話を聴くということです。

聴くことは「人それぞれ考えの違いがあるけれども、この組織に一緒に働いてくれるあなた自身のことを大切にしています」というメッセージが伝えることができます。

「自分の話を聴いてもらえている」と感じることではじめて、自身がどんな背景を持った人でどんな意見を持っているのがを知ってもらい、それらも含めて自分自身が承認されたと感じることができます。この相手を尊重する姿勢に基づくコミュニケーションが対話です。

私は、「人を大切にする組織になろう」と決めた組織はトップが「どのようにして人を大切にするのかを決めて宣言する必要がある考えています。

「私たちは、仕事を通してスタッフに成長を感じてもえる会社を目指します」

という方針を打ち出すと、もしかすると一部のスタッフには「これまでの自分を否定されたような気持ちになり、共感されないかもしれません。(こういった方針自体は私は非常に良いと思っています)

けれども、もし社内のリーダーとメンバー中での対話があれば、「この方針はこれまでのあなたを否定するものではない」ということが伝わり、個人の中で新しい意味づけがされ、行動の変化につながりやすくなります

結果的に組織の文化として醸成され、さまざまな行動という形で見えるようになったビジョンに共感した人が組織に加わり、組織の成長にもつながっていくのではないでしょうか。

KAKAWARU,LLC
代表 金山 貴宜

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