社会人の学びは他者との関係性の中にある
「若手が育っていない」「報連相をしてくれなくて困っている」という声をたくさんいただくのですが、こういった企業様をよく観察してみるとマネージャー(中間管理職)や周囲のスタッフとの関係性が希薄であることが見受けられます。
なぜ育成にとって他者との関係性が大切かを見ていこうと思います。
まずはじめに、「若手が育つ」とはどういうことか考えてみましょう。
皆様の組織において「成長」とはいったい何でしょうか?
社会人は他者との関係性の中で学んでいく
ここで、会社組織における個人の成長=結果につながる行動ができるようになるとしましょう。
では、結果につながる行動ができるようになるにはどうすればよいでしょうか?
私は、人が行動を変えることができるのは「気づき」だと考えています。
「気づき」とは、視野を広げ、今自分に求められていることを知り、行動に移すきっかけのことです。
どうすれば若手スタッフに「気づき」を与えることができるのか?その答えは「上司や先輩との関係性」の中にあります。
学生の学びは教科書や文献を通して情報(理論や考え方、世の中の実際)を学ぶこと、知識を蓄積することが中心になりますが、社会人に必要なことは、行動して結果につなげていくことです。
行動し続けることでしか結果につながりませんし、行動を変えるきっかけが「気づき」です。
そして「気づき」は他者を通して自らを見たときに生まれるものです。
・あの先輩みたいになりたい
・なぜ自分はよく間違えてしまうのだろうか
・どうして他の同期よりも営業成績が悪いのだろうか
このように、社会人にとっては自身の行動を振り返るのは「他者があっての自分」があるからです。
若手スタッフの場合、上司や先輩との関わりの中に「気づき」を促すコミュニケーションがあるかがポイントになります。
気づきを促す「問いかけ」
気づきを促すコミュニケーションの一つが「問いかけ」です。
問いかけとは、相手の話を深掘りし、自身の考えを言語化してもらう質問です。
例えば、独りよがりの行動で失敗を繰り返す若手に対しては
・どうすれば、もっとよかっただろう?
・ここをもっと〇〇するといいんだけど、どう思う?
というように、考えてもらうような投げかけが考えられます。
人間は言葉にできたときにはっきりと認識できます。問いかけはなんとなく思っているけれど、気に留めていないことを言葉にしていくことができます。
若手スタッフに対しては窮屈にならないようにしながらも、誰かがしっかりと関わる機会をつくっていくことが成長につながります。
いかがでしょうか。コミュニケーションを工夫することで気づきと行動を促す環境と関係性づくりが可能です。
若手スタッフの育成がうまくいかない場合は、上司や先輩との関係性に着目してみてはいかがでしょうか。
KAKAWARU,LLC
代表 金山 貴宜