若手メンバーが自律・自走するためにできること

・若手メンバーが受け身だ。もっと主体的に動いてほしい
・会議で誰も発言しない。もっと積極的になってほしい
・細かく指示しないと動いてくれない。部下にもっと成長してほしい

組織の大小を問わず、経営者や人事の方からこのような悩みを毎日のようにいただいています。メンバーに主体的になってほしいと考え、人事評価制度や1on1ミーティングなどあの手この手で「もっとやる気」になってもらいたいと思ってもなかなか思うような結果にならずに困っているということもよく耳にします。
「やっぱり採用でちゃんと自律した人を採用しないといけなかった・・」という採用の問題になってしまうこともあります。
なぜ、自律人材は育たないのでしょうか?主体性のあるメンバーは採用することでしか解決できないのでしょうか?

人が自律・自走するための条件

メンバーの自主性を尊重したマネジメントをしようとしても「会社の仕事だから・・・」「上司の業務指示だから・・」いつの間にかこのように業務指示としてメンバーに一方的に伝えたり、説得して行動を変えてもらおうとする関わりになってしまっていませんか?
私は人が行動を変えるときの要素として
「期待と自信」
「価値観」
この2つが大きく作用していると思っています。
今回はこの2つの点に着目して、特に20代30代の若手メンバーに有効な方法をお伝えします。

1.視野を広げる・深める

一つ目は「期待と自信」に着目した取り組みです。
人は、自身の行動とその結果を予測して、期待どおりの結果が得られそうなものほど行動しやすいものです。例えば、外資系企業に入社したいと思ったとき、英語が得意でTOEIC800点の人の方が400点の人よりも入社試験を受けようと思うでしょう。このように、期待した結果が得られる自信の有無が行動に影響します。
若手メンバーが積極的になれない場合、知識が無いことにより結果のイメージができなかったり、自信が持てないことも要因となります。
知識を得る方法として、定期的な研修プログラムを作成して実施したり、メンターのような育成担当の先輩社員をつけるという方法が考えられます。
このように若手は知識が自然に入ってくるような環境に置いてあげることも自律を促すことに繋がります。

2.価値観の尊重

二つ目は、「価値観」に注目した取り組みです。
人は自信の大切にしている「価値観」により日々の行動がつくられるといえます。価値観に基づいた行動の繰り返しが結果を生みます。
例えば、家族の病気を経験した人は、「病気の克服に貢献する」という価値観を持つかもしれません。そうした人はそうで無いよりも医療や看護といった職業を選択しやすいでしょう。このように、価値観は行動と結果に影響を与えます。
若手メンバーが主体的になれない場合、価値観も大きく影響している場合があります。仕事が選べる社会になった半面、「なぜ、ここで働くのか?」「自分にとってはどんな意味があるのか」を考える余地が大きくなっています。昔のように「社会人は会社のために働くのが当然」という価値観では行動していないかもしれません。

価値観を大切にすることは会社という組織の中では難しい場面もあるかもしれませんが、日々の業務の意味と自分自身の働く姿のイメージを近づけていくことで、自分の役割を受入れ、積極的な行動に変化することが期待できます。

キャリアカウンセリングなどで自分の価値観と目の前の仕事の意味づけをすることで、行動を促すことに繋がります。カウンセリングでなくても日々の1on1の中で定期的に上司とキャリアについて話すことも効果的です。上司の方は部下の価値観を尊重した仕事をアサインすることで積極的な行動を引き出せる可能性があります。

まずは成功体験を得られる環境づくりを

いかがでしたでしょうか。私はだれもが、自律・自走できるポテンシャルを持っていると思います。人間の能力の発揮は環境に依存する部分もあると言われています。誰もが本来持っているポテンシャルを発揮し成功体験を得られるように環境を整えることから始めることが有効かもしれません。

KAKAWARU,LLC
代表 金山 貴宜

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